築地と豊洲の間から

東京湾沿いから、思ったことを書いてみます。

海賊と呼ばれた男

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日本人は、海賊が好きなんだと思う。

海を自由に航海するイメージが、閉塞的な立地条件の住民に憧れをもたらすのがだろうか。ワンピースはその代表例な気がする、アーロン編から先に進んでいない自分としてはよくわからないが、かっこよくて何でもありな感じは憧れの的になる。

 

目を外に向ければ、今でも海賊はいるらしい。

海上自衛隊の友人は日本船の警備でよくソマリアに出航しているが、日本の何百トン級の巨大な船に、ボートで突っ込んでくることもあるような。

こんな話を聞いたら何と勇敢な人たちなのだろうと感じる。きっと現場はそんなことを思えないくらい緊迫なのだろうが、海賊のその無謀な姿にも惹かれるのだろう。

 

この夏、城ケ島にも海賊がいることを知った。

城ケ島とは神奈川県の三崎半島の先端の小さい島だ。三崎漁港が近いことからマグロとか海鮮で有名な地域だ。

ここに仲のいい会社があり、いつかみんなでBBQでもしたいと話していたのだが、日程が合わずに流れることがほとんどだった。今年はたまたま日程があったのだ。台風が多かったのにその日はとてつもなく晴れていたのも奇跡だったと思う。

日曜の朝、三崎口駅で待ち合わせをしていると黒い大型の車で迎えに来てくれたが、そこからインパクトがすごい。どんなBBQになるのか、楽しみというより不安の方が徐々に強くなっていく。

車で15分ほど移動するとリビエラリゾートという会員制のリゾートについた。港にはヨットがずらっと並び、色黒の人たちがたむろしている。普段日の当たらない屋内にいる色白な自分がいかにも貧弱思えた。

「BBQの前に、このボートで相模湾を走りましょう!」

という提案を受けて乗った船がYAMAHAの242Xというものでとんでもなく豪華なボートだった。

城ケ島を出航して葉山を通り、由比ヶ浜を過ぎて、あっとゆう間に江ノ島近くに来た。車で移動したら1時間はかかるだろうか、たっと30分とかからずに移動するそのスピードは、波で体が飛ばされるくらいに激しく動く。

レゲエ調のBGMを爆音でかけながら移動する船を陸から見ている人は、確実はやばい人たちがいると思ったに違いない。

1時間近く走った後に、油壷のビーチでBBQをすることになり船を陸に近づけた。

そのビーチは家族連ればっかのまったりしたところであったが、そんなとこに爆音の高級ボートが上陸する。船から浜を見ると目をキョトンとする子供たち、顔を引きつらせているカップルがこちらを見ているのがわかった。豪華な爆音ボートが近づいただけでこの反応なんだが、江戸時代に黒船が来航した時の衝撃は果てしないものだったのだろう。

悪さはしないが、圧倒的な存在感を放つ。そんな海賊みたいな存在が相模湾には存在しているのだ。

 

昭和の下関に現れた石油を積んだ小さな船も、きっと圧倒的な存在感を放っていたのだろう。出光興産を創業した出光佐三氏のことだ。戦後の日本の立て直しに石油と言う経済の血液を注目して発展を支えた功績はとても大きい。相模湾の爆音ボートが走れるのも、きっと下関の海賊のおかげなのだろう。