2011年に起きたオリンパスの巨額損失隠蔽事件の仕掛け人と言われていた元野村證券の横尾氏が書いた実話に基づく内容。
会社名、人物ともに実名で描かれており、事件の経緯や野村證券内部のことは詳細に明かしている。
個人的には、後半のオリンパス事件の内容より前半の野村證券時代の内容がとてと面白かった。日本を代表するゴリゴリ営業の実態はとんでもない努力の賜物なのだろう。著者もかなりの努力家であり、だからこそ野村證券の中で生き抜いてこれたんだと思う。
そんな野村證券で戦ってきた著者でさえ、こんな事件に巻き込まれてしまうのだ。自分にはこんな巨額の事件と関係ないと思うが(現状)、明日は我が身と思うしかない。
商売に「言った言わない」は、あっちゃいけないが、つきものでもある。
今回の事件だって、ことの経緯を常に記録していれば、もしかしたら別の展開になっていたのかもしれない。(そんな簡単な話じゃないとは思うが…)
小保方氏の「あの日」でも感じたが、こんなことあり得るの⁉︎といったようなハプニングを世の方々は経験され、それを伝えるべく本に記してくれている。
この物語が、ただ著者の言い分を書いたものだけではなく、そこから何が学べるのか、それを考えるのが重要なことなのかもしれない。